α9 Hands-On Review
α9 |
いよいよ待望のEマウントフラグシップ α9 が登場しました。
プロカメラマンのために開発されたモンスター級マシンに、物欲だけはプロレベル(汗)の私も手を出してしまいました。
だって、オリンピックよりも、ワールドカップよりも、100万倍は大事な我が子の運動会をきちんと記録しなければならないプロパパカメですから!このくらいの機材を使う資格はあるのです!!
...
......
.........そんなことはさておき、(汗)
買ってすぐは敢えてレビューを書かないですが、α9は気になる方も多いと思い、今回はいわばファストインプレッションを書いてみたいと思います。
発売日に発注し、下取りやらなんやら済ましたら自分の手に入ったのは6月1日の夜。
じっくり設定をカスタマイズする余裕もなく、3日の長女の運動会でいきなり本番デビューしました。
その運動会の日と週末の公園遊びの使用感を中心に書かせていただきます。
不慣れが原因の誤りがあるかもしれないこと、予めご了承お願いします。
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AF・シャッター
- AFパフォーマンスについてのレビューは他にたくさんあるのでここでは省略するが、さすが「プロ機」と名乗るだけのことはある。
近距離で結構な速さで予測できない動きをする「子供」って、案外めちゃめちゃ難易度の高い被写体だと思うが、半押しですっと食いつき、なかなかしつこく追従してくれる。被写体とカメラの間に障害物があるとすぐ余所に行ってしまう持病も保々治っているし、迷うことも少なく、迷っても復帰が早い。
いい意味でソニーカメラらしくないAF性能だ。 - 動体撮影時ピンずれの大きな原因の一つだったレリーズタイムラグが体感できるほど短くなった。
- 電子シャッターの連写はとても不思議な感覚。
ミラーショックは元々無かったし、シャッター音も、ブラックアウトもないので、「本当に写真撮れてる?」と不安になる。
電子シャッターによる歪みや何らかの不自然さは今のところ全くなし。 - 電子シャッター音を設定すると安心感はあるが、残念ながらあまりいいシャッター音とは言えない。
- 連写バッファがフルになるまでの時間は、Hi(Max 20fps)で10~15秒程(RAW+JPEGスロット振り分け時)
撮影・バッファリング・メモリカード書き込みが同時に行われるが、Lo(5fps)だとバッファを使う速度より補充される速度が速く見える程で、メモリカードがフルになるまで続きそう。 - ブラックアウトしないのは思ったより効果大。ずっと被写体が見える状況で追うので連写時のフレーミング難易度がぐんと下がる。
- ワンアクションでフォーカスポイントを動かせるマルチセレクターは小さな見た目とは違って操作感はなかなかいい。
- 書き込み中でも撮影・再生は可能。メニューは表示できない。
- シャッターフィーリングは、どちらかといえば α7より α99 に近い。「押し込む」のではなく「クリック」の感じ。
- シャッター設定オートの場合、連写では電子シャッターが、シングルショットでメカシャッターが優先されるように見える。
JPEG撮って出し (Resize Only) |
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画質・発色
- まだ使い始めたばかりなので画質の評価はできないが、「色」については少し書かせて頂きたい。
今までの温色系ではなく、どちらかといえばニュートラルに近い発色になった。
特にRAWの場合、Lightroomでカメラプロファイルを当てると、黄緑色がうっすら掛かっているように見えることが多かったが、9のRAWはそれがだいぶなくなり、「白が白く」見える。 - オートーホワイトバランス設定に、「雰囲気優先」、「白優先」が追加された。
白優先にすると、電球など色が強い照明下でも結構正確な白に合わせてくれる。 - 今までよりカメラJPEGとRAWの差が少なく見える。両方彩度も少し下がった。
- 購入時、「画」については期待してなかった - というより、「7より何かと良くなってるだろうから充分」って適当な考えだったので、この「色」の変化は特に人物(女の子2人)を撮ることが多い自分にはとても嬉しい。
- スポット測光時、測光点をフォーカスポイントに連動させるモードや、フレーム内のハイライト部を基準に測光するなど面白そうな測光モードもいくつか追加された。露出は7RM2より少し(+0.3EV程)明るめに判定される気がする。
- 高感度ノイズは、7M2で3200、7RM2で6400が上限だった自分の感覚ではとりあえず6400まではOKに見える。
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ファインダー・液晶モニター
- ファインダーの解像度が上がり、よりOVFに近くなった。
まだ遠景には少し違和感があるが、~10m程度なら他社フラグシップOVFと比べても遜色ないと思う。
中距離(3~5m)で広角レンズを少し絞った場合、7RM2ではピント拡大しないとなかなかMFのピント合わせは厳しかったが、このファインダーなら何とかなるかも。 - 地味にいらっとするモニター撮影時の勝手なファインダー切り替えもやっと対策され、モニタをチルトすると切り替わらなくなる。
- ソニーのカメラだからモニター自体は文句なしの品質。
一応タッチパネルもついているが、これはなんで付けたのかが疑問。モニタ撮影時タッチフォーカスこそできるが、ファインダー撮影時はダメ、メニュー操作もダメ、指2本で画像拡大・縮小(ピンチイン・アウト)もダメ...とにかく、「タッチできたらいいなー」と思えるところは殆どダメ。
ファームアップで機能を追加してくれる予定なら話は別だが、今はおまけレベルに過ぎない。
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バッテリ・グリップ
- 一回り大きく重くなったのは残念だが、確かにその分頼もしくなった。
運動会の日、午前9時から午後3時まで4000枚(!)以上撮影したが、電池はまだ19%(!!)残っていた。
殆ど連写ではあったが、とにかく「4,000枚」(RAW+JPEGだから、ファイル数は8千!)という数字には素直に驚き。 - 以前は1個では不安だった日曜日の子供達との公園遊びでも、1日ずっと使っても半分以上の残量とまだまだ余裕。物理的に「シャッター」を動かす必要のない電子シャッターのおかげか、スペック上の「容量差2.2倍」よりもっと持つ気がする。
- 縦グリップにもマルチセレクターが追加されたので、グリップ側でもフォーカスポイントを設定できる。デザインも良くなったし、どうせでかくて重たいレンズが付けたくなるから、同時購入をおすすめ!
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GPS・Wifi
- 残念ながらGPSは内蔵されていないが、Bluetooth 経由でスマホの Play memories mobile から位置情報を取得することができる。
今時スマホは必須携帯品だから、別売りのGPSモジュールを買うよりはずっといいと思う。 - 1度スマホとペアリングしておけば、カメラONで自動再接続する。5〜10秒でBlutooth接続、GPS情報連動OKだから起動は内蔵GPSより早い。
ただ、スマホ側には「位置情報連動」というサービスがずっと表示されるようになる(カメラ未接続時も)のでちょっと気になる。 - カメラ接続・未接続に関わらずスマホ電池への影響はほぼなしといっていいように見える。
- Play Memories App メニューがない。プロならそんなの要らんだろ!という意味かな?(汗)
- その代り、スマートリモコン(スマホから操作)とスマホ転送はは基本メニューになった。
曇りの日も瞳にパチッと |
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設定・その他
- カスタムセッティング(モードダイアルから直接呼び出されるセッティング)が2個から3個に増えた。また、ほぼすべての設定値が保存されるように強化された。
個人的には、ライブビュー設定反映ON/OFFが保存できるようになったのが一番嬉しい。これでストロボ撮影用カスタムセッティングがワンアクションで完結できる。
※設定反映ONだと、ストロボ(TTLクリップオンではなく、WLライティング)発光時の露出に合わせた場合ファインダーが真っ黒になってしまうから。 - フラッシューをつなぐとメカシャッターに切り替わる。X速は今まで同様 1/250
- カスタムキーは7M2シリーズと同じ4個だが、ドライブモードとフォーカスモードが個別ダイヤルになったのと、フォーカスセット用マルチセレクターが追加されたので、結果的にカスタムキーに余裕ができた。割り当てできる設定項目も増えている。
- 良く使うメニュー項目を「マイメニュー」に追加できる。(お気に入り)
たとえば「メモリカードフォーマット」、「JPEG・RAW選択」、「センサークリーニング」などをまとめておけば、毎回メニューを全部探さなくても「マイメニュー」から素早く選択可能。
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最後に
ブラックアウトフリーのファインダーを覗きながら、マルチセレクターでフォーカスを決め、電子シャッターで連写していると、謳い文句の Game Changer になれるかどうかはともかく、 Game Controller を操作しているような感覚は確かにあります(笑)
正直、α7RM2に単焦点レンズを付けて出かける方が「趣味」としてはもっと楽しいと思います。
ある意味当然ですが、α9は「楽しさ」より、「結果を出せる道具」の感じで。ゲームで例えるなら、これはチートモード - 面白さは半減するが大魔王は簡単に倒せるという(笑)
α9の楽しさは、また違うところにあるのかもしれません。
人から見ればどれも同じに見える20枚の中から、自分しか気づかないかもしれない「最もいい表情」を選ぶ楽しさ。
めちゃくちゃな条件でも、結果が得られた瞬間の楽しさ。
子供と公園を一緒に走っているとき、「あ、今いい顔してる!」とあわててスイッチを入れ、量AFボタンを押しながらとにかくシャッターを押してみたのですが、それでも期待通りにちゃんと働いてくれた時は、ちょっと感動しました(笑)
そう、いわば撮る楽しさより撮れた楽しさですね。
信頼できる道具を手にしているときの心強さ - このカメラでしか撮れない写真があるということは確かだと思います。
...それはいいですが、運動会で調子に乗って撮ってきた4,000枚はいつになったら選別が終わるかなー(´・ω・`;)
では、しょぼいレビュー最後まで付き合っていただき、ありがとうございました!
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